ビルケンシュトックといえばサンダル!という印象の方は多いのではないでしょうか。ビルケンのサンダルは、サンダルならではの気軽さがあるのに、ラフ過ぎずファッション全体がおしゃれにまとまります。そんなビルケンシュトックが、スニーカーや、ややフォーマルな革靴も販売していることはご存じでしょうか?筆者は、ビルケンシュトックの革靴を10年以上愛用しており、流行に流されないデザイン性と、耐久性、機能性を実感しています。また、ビルケンシュトックの革靴は、あまり履いている方が多くなく、サンダルのようにかぶりにくく、こだわりのある人にもおすすめの一品です。今回の記事では、そんなビルケンシュトックのシューズの中から、おすすめのモデルをご紹介。
ビルケンシュトックのシューズ
シューズといっても、ビルケンシュトックには、かなりカジュアルなものから、フォーマルなものまで幅広いラインナップがあります。シューズはTPOを弁えて身に着けることが大事ですから、カジュアルとフォーマルの着用シーンに分けて解説。
カジュアルシーンでおすすめ
モンタナ Montana
ビルケンシュトックのシューズの中で、代表的なモデルの一つ。2枚のアッパー素材で仕上げられた、シンプルなのに、とてもユニークなデザインです。ビルケンシュトックらしい丸みを帯びたやわらかいデザインと、靴紐、アッパー部の素材感の強さがとても魅力的です。デザイン的には、引き締めるというよりは、外してくれるような要素がありますので、遊び心を求める方にお勧めのモデルです。
過去、筆者も愛用していましたが、一般的な革靴やスニーカーのように、裏地などによる補強がないので、長く履いていると、かかと部分や足の甲部分に皺とヘタりが出てきやすいです。経年的な味わいではあるのですが、特に気になる方は、シューキーパーの使用をお勧めします。
ロンドン London
サンダルタイプの超定番モデルのボストンに、かかとが覆われたモデルがロンドンになります。モンタナと同じく、2枚のアッパー部で仕立てられていますが、ボストンからの派生モデルのため、靴紐ではなく、ベルトタイプになり、バックルも印象的です。また、モンタナのように、かかと部分の折り返しもないため、全体的に引き締まった洗練されたデザインです。ファッション全体でシンプルにまとめたい方にお勧めできるモデルです。
こちらもモンタナと同じく、かかと部の補強がありませんので、気になる方は、シューキーパーの使用をお勧めします。
ギルフォード Gilford
これまでのビルケンシュトックでは、少し珍しいタイプの革靴のシューズです。一般的な革靴だと後述のフォーマルなタイプをイメージしますが、ギルフォードがカジュアル寄りの革靴です。靴底が少し厚めで、全体的にゴツくハードなデザインで、愛らしいステッチはありませんが、どこかドクターマーチンに近い印象も受けます。そのデザイン性から、フォーマルよりは、画像のようにデニムなどと合わせ、カジュアルに履くことをお勧めします。フォーマルよりの革靴をカジュアルな服装と合わせるとチグハグになってしまうことはありますが、ギルフォードならその心配もありません。靴底が少し厚めなので、スタイルアップ効果もあるおすすめのシューズです。
ハードな印象なのに、かかと部分のさりげない革のタグに「BIRKEN STOCK」と書かれた愛らしいデザインが、ビルケンシュトックらしく、一目ぼれをし、自分自身への誕生日プレゼントとして購入し、愛用していました。一般的な革靴として手入れしておけば、とても長く活躍してくれていました。ギルフォードのデザイン性から、多少の傷や皺は、味わいとして受け入れやすく、普段のお出かけだけでなく、多少のアウトドアでも気にせず履いて出かけられました。普段から革靴を履きたいな、経年変化を楽しみたいなという方に、特にお勧めです。
ゲーリー Gary
ベロア生地の上品できれいなデザイン、スリッポンのような履きやすさ、裸足でも快適な履き心地を求める方には、ゲーリーがおすすめです。ソールのコルク素材と、アッパー部のベロア生地がまとまりよく、高見えするモデルです。普段から、大人なシンプルコーデの方は、とても活躍する一足ではないでしょうか。
素足でも履けるようにライナーが取り除かれており、かかと部が内側に折れ、スリッパのように履くことでよりカジュアルに履くこともできます。色味もブラックとジンジャーの品の良い2色展開で、どちらも合わせやすい色味ですね。
パサデナ Pasadena
足の両サイドから織り込まれて、足の甲部分で絞られた目を引くユニークなデザインなのが、パサデナです。特徴的な構造と、その構造を作るためのステッチワーク、ソールのコルク生地に、アッパー部の素材感がとても独創的な組み合わせです。しかし、履いてみると、異質な感じになり過ぎず、ファッション全体としてはまとまるのが不思議です。
スエードタイプだと、上記のゲーリーに近い上品な印象になり、スムースレザータイプだと、少しハードな男らしい印象を与えるでしょう。筆者は、すでに廃盤になってしまいましたが、パサデナのレザータイプを愛用していました。ハードな見た目から、デニムとも合わせ合わてカジュアルに履けましたが、スラックスのような落ち着いた服装でもまとまってくれ、大活躍でした。
レザータイプは、ステッチの折り込み等もあり、構造的にもしっかりしていて、痛みがかなり少なかった印象です。デザインがシンプル過ぎないためか、傷なども目立ちにくく、ローメンテナンスでもきれいに履けると思います。一方、スエードタイプは生地が薄く仕上げられており、足にフィットしやすく、履き心地がとても良いモデルです。
ミルトン Milton
ミルトンは、2つ穴がとても上品で、履き心地抜群のモデルです。ビルケンシュトックでは珍しい、ハイカットタイプです。最近では、上品な大人コーデで活躍しているデザートブーツですが、もともとはイギリス陸軍が砂漠用に履いていたのが由来のようです。ビルケンシュトックのミルトンも、最近のデザートブーツと違わず、上品にまとめてくれますが、やわらかいベロアレザーがぴったりと足にフィットし、その素材感、履き心地で愛着が増してくることでしょう。
特に足首を覆うほど丈のあるデザートブーツで、硬かったり、素材感が悪いと靴擦れの心配もあります。足の健康に配慮されているという意味では、とてもビルケンシュトックらしさが生かされたモデルといえます。
フォーマルシーンでおすすめ
ダレン Daren
ダレンは、カジュアルダウンしても履きやすい、ストレートチップの革靴です。かかと部には、さわやかなブルーの裏地が施されており、シンプルなのに、陳列棚でも、そのこだわりのあるデザインが目を引きます。何よりも艶のあるブラックではなく、マットブラックなのが、とても魅力的です。個人的には、つやつやしすぎる革靴は、衣服の布地とのギャップが強く、華やかではある一方で、異質感があって、まとまりを感じづらいと思っています。
また、アッパー部は、疎水性のレザーが用いられ、ワックス糸のステッチ、ソール部もゴム製なので、雨の日でも安心して履くことができます。
見た目、機能性の両面で、カジュアル・フォーマル、天候選ばず、色んなシーンで活躍できる万能シューズです。
ジャレン Jaren
ジャレンは、ダレンのプレーントゥタイプです。プレーントゥとは、つま先部分に何のデザインもないまっさらなデザインのことを指します。まっさら故に、プレーントゥは、そのフォルムや素材感がとても大事になってくるのですが、ビルケンシュトックのジャレンは、やわらかい丸み、ダレンと同じマットブラックが、とても上品に組み合わさっています。筆者も、このジャレンを愛用して、かれこれ3年以上ですが、履き心地も抜群で、雨の日も気にせず履くことができます。よほどフォーマルなシーンでなければ、ビジネスでも問題なく履くことができますので、カジュアル用として持って置き、雨の日や、普段のビジネスシューズを休ませる日(雨の日の翌日など)はジャレンを履くなど、革靴のローテーション用としても活躍してくれると思います。
ダレン、ジャレンに共通していることですが、艶のあるブラックではなく、マットブラックのため、多少に傷は目立ちにくいことが大きなメリットです。また、マットブラックゆえ、デニムと合わせれば、少し武骨なカジュアルシューズに見えますし、セットアップで履けばドレスアップしますし、本当に着用シーンを選びません。筆者一押しのシューズです。
ララミーロー Laramie Low
ララミーローは、艶のあるブラックと、ウイングチップの装飾が印象的なモデルです。ダレンやジャレンの、ストレートチップやプレーントゥほど、フォーマルなシーンは適しませんが、カジュアルシーンで履けば、とても上品でスタイリッシュにまとめ上げてくれます。艶のあるブラックが印象的で、コーディネートの主役としてなら、ララミーローがおすすめです。筆者は、たくさんシューズを持たないマインドですので、シーンを選ばないジャレンのほうがおすすめですが、「シューズこそファッションの主役だ」、「だからシューズの色んなラインナップを持っておきたい」という方にお勧めのモデルだと思います。