一口馬主

【シルク】募集馬メモ①美浦No.1-13

 先日2022年度の募集馬一覧が発表されました。価格、厩舎、血統、出生日が確定しました。ウォーキング動画や測尺などが開示されるまでに、父・母血統中心に、価格や厩舎など現在の情報から総合的に、少しずつまとめていきます。自分用のメモも兼ねていますので、現状の出資意欲度(ぜひ出資したい)←A,B,C,D,E→(出資しないと思う)のランクもつけています。

募集馬血統メモ(美浦入厩 No.1-13)

1.リアオリヴィアの21 出資意欲「B」

 母全妹は、ローズS,アルテミスS勝ちのリアアメリア。同じく、シルクホースクラブの募集馬で、シルクの大事な名母系。母自身は、初仔の影響か、勝ち上がりはできておらず、本馬は、その母の初仔。父ロードカナロア×母父ディープインパクトは、現状、特に良い組み合わせでもなく、母系にヌレイエフ、サドラーズウェルズ、フェアリーキングなどは入っておらず、これまでロードカナロア産駒でG1を輩出してきたようなニックスもない

 奥村武厩舎は、個人的には同じシルクで出資馬のクールキャットを重賞馬にしてくれましたから、好印象です。これまでのシルクの預託馬の血統からすると、シルク王道路線の大事な血統を任せられた可能性もありそうですね。

 父ロードカナロアなので仕方ありませんが、5000万円と高額なので、初仔ならではの小ささがないか等、動画や測尺をよく見て判断したいです。母が勝ち上がれなかったこと、初仔であること、高値であることから、人気を落とす可能性も含め、出資意欲は「B]です。

2.クードラパンの21 出資意欲「B」

 こちらもシルクが大事に紡ぐ、祖母ルシルク-母クードラパンの血統。母の半兄は、重賞馬グランシルク、母自身もクードラパン4勝馬。本馬は、その2番仔で、昨年募集された半兄はまだ未出走です。半兄と同じく武井亮厩舎に預託されるようです。現状、武井亮厩舎とシルクの組み合わせで、重賞馬は出ていないですが、ミスティックグロウが3勝と活躍し、現役馬としては、1勝馬のビジューブリランテがおります。

 父ロードカナロアとフレンチデピュティとの相性はよく、母父フレンチデピュティとの組み合わせでは、JBCスプリント勝ち馬レッドルゼルや、オパールS勝ち馬のアンヴァルがいます。血統背景からは、スピードを生かしたスプリンター~マイル路線に適性がありそうです。

 こちらもロードカナロア産駒なので仕方ないですが、牝馬で4500万円とかなり高額です。血統背景は面白味がありますし、筋の通った組み合わせなので、出資意欲は「B」です。

3.プチノワールの21 出資意欲「D」

 半姉にシルクのG1馬、ローブティサージュを持つ本馬もシルクの大事な血統ですから、本年度のシルク募集馬のロードカナロア産駒は、層が厚く期待が大きいのではないでしょうか。母高齢(16歳時出産)になりつつありますが、全姉には、京都牝馬3着のブランノワール、ハーツクライ産駒の半姉ノワールドゥジェは3勝しており、継続して活躍馬を輩出できています。全姉にブランノワールがいますから、血統背景は疑いの余地はありません

 ローブティサージュが須貝厩舎であったこと、ブランノワールやヴァンタブラックも同厩舎であったこと、その他の姉兄も、宮田厩舎や杉山厩舎など、ザ・ノーザンFといえる厩舎への預託でしたから、本馬の鹿戸厩舎への預託は意外でした。鹿戸厩舎はエフフォーリアを輩出していますので、腕的な意味合いでは疑いの余地はありませんが、シルクとの組み合わせとなると、あまり活躍馬を出せていないところが気になります。

 価格が5000万円と高額なこと、厩舎とシルクの組み合わせイメージから、出資意欲は「D」としました。

4.オープンウォーターの21 出資意欲「C」

 母は、海外G2勝ち、デルマオークス3着の実績馬。日本での産駒はまだ未出走も、海外産駒は重賞で3着あり。父ダイワメジャー×母父Includeの組み合わせは1例しかなく、3勝馬のオリエンタルリリーがいる。

 預託先の宮田厩舎は、社台Gからの預託がかなり多く、期待の若手調教師でしょう。本年度は、シルクのラスールが残念なことになってしまいましたが、預託される馬質から、重賞馬の輩出は秒読みかと思います。

 価格は、牡馬で3500万円と手が出しやすく、高齢のため出資できなくなるであろう貴重なダイワメジャー産駒ということ、期待の宮田厩舎であることを踏まえ、出資意欲は「C」にしました。母系のデータが少なく、「B」には至りませんでしたが、ダイワメジャーらしい馬体をしているなら、候補に入れたいですね。

5.アトミカオロの21 出資意欲「C」

母は、アルゼンチン馬で、亜1000ギニーG1勝ち馬、全6勝の名馬。日本での産駒出走もおらず、ダイワメジャーと母父Orpenの組み合わせもなく、血統的にも判断しづらい

 手塚厩舎は、モンドインテロ、セダブリランテス等、シルクでも活躍馬を輩出してくれ、勝ち上がり率も高く、安心できる厩舎でしょう。直近でもドゥラモンドでのジョッキーまで意識したローテーションにも好感が持てます。

 個人的には、もう一頭の預託馬ギモーヴの21の方が色気があるのかな?という気がしていますが、2800万円と比較的安価なこともあり、出資意欲は「C」としました。

6.ロッテンマイヤーの21 出資意欲「A」

 ビワハイジ一族で、母アーデルハイト産駒の中でも最も活躍したといえるロッテンマイヤーの初仔。ロッテンマイヤーもシルク募集馬でしたし、これからのシルク血統になってくるでしょう。父エピファネイアは、エフフォーリアやデアリングタクトに代表されるように、サンデーサイレンスのクロスがとても効果的です。本馬は、4×4ですが、サンデークロスがあり、血統的には申し分ないと思います。

 厩舎は、母ロッテンマイヤーの預託厩舎の池添学厩舎ではなく、林徹厩舎になります。林徹厩舎は、開業僅か5年目にして、海外重賞勝ち、安田記念勝ち馬のソングラインを輩出し、シルク所属馬では、1頭目の預託から福島牝馬S勝ち馬のアナザーリリックがおります。先日、2歳馬のグラニットピークのデビュー戦の結果が芳しくなかったですが、アナザーリリックの活躍を考えると、シルクとの結びつきはグッと強くなってくることでしょう。

 今を時めくエピファネイア産駒、それも牡馬ということで、価格は5500万円とかなり高額。初仔のリスクはありますので、馬体をしっかり見て判断ということになるでしょう。しかし、厩舎も血統背景もとても魅力的ですから、かなり人気しそうです。出資意欲は、クラシック王道路線を狙えるという意味も含め、「A」とします。

7.リビアーモの21 出資意欲「B」

 母6勝馬、産駒にも4勝馬のマグナレガーロやパルティアーモがおり、活気ある母系。父エピファネイア×母父アドマイヤベガからは、紅梅S勝ち馬のフォラブリューテがおり、サンデークロスもあって、裏付けのある血統です。

 木村厩舎に預託予定となっており、常にリーディング上位を争いをしており、今年のクラシックでは、惜しくも連続2着となったイクイノックスがおります。その他、オーソリティやプリモシーンも輩出していますから、本年の募集馬からも重賞レベルの馬が出てくる確率は高そうです。といっても、木村厩舎には4頭も預託される予定で、いずれも5000万オーバーの馬ですから、人気含めて簡単には出資できませんが…。

 出資意欲は「B」とします。母系の堅実性から非常に魅力的ですが、牝馬の5000万の募集価格は、安易には手を出しづらいところです。

8.ブリスフルデイズの21 出資意欲「D」

 母の半兄には、ウォータクティクス、キタサンアミーゴ、ハッピーモーメント等、重賞勝ち馬や活躍馬がズラリ。父エピファネイア×母父キングカメハメハからは、デアリングタクト、ソネットフレーズ、スカイグルーヴ等の重賞勝ち馬がおりますが、いずれもサンデークロス持ち。本馬は、サンデークロスを持たないのですが、同じく母父キングカメハメハで、サンデークロスを持たない産駒に、現役5歳牝馬で最近3勝クラスを勝ち上がりオープン入りしたイズジョーノキセキがいます。

 預託厩舎は、黒岩厩舎で、シルクからは重賞馬は出ていませんが、少しさかのぼるとシルクドリーマーが1億以上稼いでいたり、最近でもヴァンクールシルクやカイザーヴェッターが3勝しており、コンスタントに活躍する馬はいます

 血統背景は他のエピファネイア産駒に比べると派手さには欠け、初仔で、価格が4000万円と高額なので、しっかり動画や測尺見たいですね。出資意欲は「D」です。

9.メリーウィドウの21 出資意欲「A」

 母はダート4勝馬、母産駒の半姉ジュディッタもダートで3勝、全姉ヴァランシエンヌもダートで勝ち上がりの、ガチガチのダート血統。本馬が初めての牡馬産駒となり、ダート血統のパワーとスタミナをより生かせる素地がある

 栗田徹厩舎に預託予定で、シルクとの組み合わせでは、ダート4勝シェダル、元出資馬の2勝馬スイートセントがおり、コツコツと勝ち進む産駒はいるが、重賞馬はいまだいない。本年度は、タイトルホルダーで大躍進しており、そろそろシルクからも活躍馬が出ても良いころかもしれない。

 価格は4000万と高額も、本年度募集の1歳馬から、新設されるダート3冠に出走権利があり、ダート路線の賞金拡充がされるため、牡馬であることと合わせて許容できる範囲か。筋の通った血統背景に、勢いある種牡馬と厩舎から、出資意欲は「A」とします。

10.シャクンタラーの21 出資意欲「E」

 母はシルク募集馬で2勝馬、母の全兄に5勝馬のノーステアがいる血統。母産駒の初仔で現3歳馬のマニカルニカ(父エピファネイア)が、2着2回、3着2回とコンスタントに走っており、勝ち上がり直前。個人的なイメージだが、母系が芝のスタミナ血統で少しスピードにかける印象なので、パワーやスピードが足され、カチっとハマりそうなドレフォンは悪くなさそう。芝馬かどうかは、読めない。

 高柳厩舎は、例年そこまで成績が良い方ではなく、シルクとの組み合わせでも、1勝馬どまり。今年は、スターズオンアースで桜花賞を制し、ここから勢いに乗れるかどうか。

 シルク血統で活躍してほしいが、芝馬かダート馬か読み切れないことも踏まえ、出資意欲は現状「E」とした。

11.サンデースマイルIIの21 出資意欲「C」

 母の産駒には、7勝馬でチャレンジC勝ち馬のフルーキー、最近でも京都新聞杯2勝馬の万オブスピリットがいる。その他もコツコツと1-2勝馬がおり、母系の活気はあるが、本馬は母18歳時生まれと、高齢母の産駒。父ドレフォン×母父サンデーサイレンスの既出走馬は、7頭おり、半数以上が芝レースで掲示板内があり、芝馬で活躍できる可能性もある

 尾関厩舎のシルク所属馬には、グローリーヴェイズがいるが、直近は目に留まる活躍馬は輩出できていない。価格は、3500万円と牝馬にしては、やや高めの設定。

 血統背景に面白味があり、そこまで人気しない可能性も高そうなのも良いが、厩舎の勢いがどうか。出資意欲は、「C」とした。

12.レスぺランスの21 出資意欲「E」

 母は、父キンカメを配した、ディープインパクトの半妹という超良血。ところが、母自身は2戦未勝利で引退、2頭いる産駒も1頭はデビューできず、もう一頭のアイアゲートが何とか勝ち上がりできたというのが現状。本馬は、父にハービンジャーを迎えたが、母父キングカメハメハとの相性はよく、同組み合わせには、ブラストワンピース、モズカッチャンがいる。

 辻哲英厩舎は、2年目の若手厩舎で、シルク馬は、3歳馬のジャスミンフローラがおり、現状3戦未勝利も、3着入着がある。

 牡馬3000万円は、最近の価格加味すると比較的リーズナブル。しかし、母系の実績が弱いことから、出資意欲は「E」としました。

13.キャンディケインの21 出資意欲「D」

 母はシルク募集馬の2勝馬。母系は、シルクでも有名なスナッチドの一族で、NHKマイル覇者のラウダシオン、京都牝馬S3着馬のスナッチマインド等、ほかコツコツと勝ち上がる産駒も多く、活気ある母系。父ハービンジャーと母父ハーツクライの組み合わせでは、まだオープン馬はない。

 武市厩舎は、過去シルク馬のグランドサッシュを長く活躍させていたが、最近のシルク馬での成績は、勝ち上がり率も低く、あまりよくない。現2歳世代で本馬の従妹にあたる名句あスナッチが預託されており、この血統の癖を把握できるというところはプラスに働くかもしれない。

 価格は、2000万と抑えられており、2勝するなどして、価格以上に走ってくれる素地はありそう。出資意欲は「D」とした。

今回の記事を書くにあたり参考にした書籍のご紹介

 各種牡馬と相性の良い血統がわかりやすく解説されていました。一口馬主の募集馬の血統を眺めることがより楽しくなります。各種牡馬産駒のレース傾向も細かいデータで記載されていますので、一口馬主を趣味としている方だけでなく、レースとしての競馬が好きな人も満足できる一冊です。私はレースの軸選定や、出資馬の血統背景調査に毎年新年度版を購入しています。

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