引き続き、現段階の情報(血統、厩舎、価格)を元に、各馬メモをまとめています。自分用のメモも兼ねていますので、現状の出資意欲度(ぜひ出資したい)←A,B,C,D,E→(出資しないと思う)のランクもつけています。
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募集馬血統メモ(美浦入厩 No.31-43)
31.レツィーナの21 出資意欲「D」
母はダート4勝馬、母産駒にはダート5勝馬のアシャカダイキなどダートでの活躍馬が目立つが、青葉賞3着馬のヴェラヴァルスターもおり、馬場不問で地力を見せている。派手さはないが、堅実に勝利数を積み上げる産駒が多い。リアルスティールの産駒は、本年度デビューのため、まだ血統的なポイントはわからない。
高橋厩舎は、2020年京成杯クリスタルブラックで重賞初勝利。シルク所属馬の勝ち上がり率も低く、これまで勝ち上がった1頭も1勝馬止まり。
母系の活力と堅実性を踏まえると2400万の募集価格は回収できる可能性は大いにある。個人的には、厩舎が気になり、出資意欲は「D」とした。
32.ユキチャンの21 出資意欲「C」
今年もシルクから白馬の一族の募集馬が登場。母系は、近年競馬会を盛り上げたソダシがおり、重賞5勝馬メイケイエールもユキチャンの孫にあたる一族全体で活気がある。ユキチャン自身の産駒は、ハウナニの2勝が最多勝利数であり、母自身や上記一族の活躍からすると少し物足りない。父ヘニーヒューズ×母父クロフネの組み合わせでは、地方ダート4勝で京浜盃勝ち馬シャルフジン、クロフネ父のフレンチデピュティを母父とする組み合わせでもダート3勝馬フルヴォ―トがいる。イメージ通り、ダート馬として筋の通った血統背景で相性は良さそう。
預託先の宮田厩舎は、社台Gからの預託がかなり多く、期待の若手調教師でしょう。本年度は、シルクのラスールが残念なことになってしまいましたが、預託される馬質から、重賞馬の輩出は秒読みかと思います。
価格は4000万円と、ヘニーヒューズ産駒としては、高額な印象。ダート3冠も拡充されますから、仕方ないかもしれません。人気することも踏まえ、出資意欲は「C」とします。
33.アズールムーンの21 出資意欲「A」
りんどう賞勝ち馬の母、母の半姉エスメラルディーナは関東オークス勝ち、その産駒アリーヴォは小倉大賞典を勝ち、大阪杯3着、母半弟コンシリエーレはサウジダービー3着など、堅実に枝葉を広げる一族。父ブラックタイドと相性良いファピアノの血も入っており、同配合では、地方ダート5勝し鎌倉記念勝ち馬のリコーワルサーなどがいる。
田中博康厩舎は、開業5年目の若手厩舎で、重賞は未勝利。シルク所属馬には、フェアリーS3着馬のポレンティアや、現3歳馬のサンカルパが2勝しており、秋華賞を目指した昇級初戦でも2着するなど、重賞戦線に手が届きそうな活躍を見せています。
ブラックタイド産駒の勝ち上がり率はそこまで高くありませんが、母系の活力からすると、牡馬で3000万円は一発を期待したく、出資候補に入ります。抽優馬は必要でしょうが、穴人気しないことを祈りながら、出資意欲は「A」です。
34.サンドミエシュの21 出資意欲「E」
母は未勝利で、既走馬の産駒2頭も中央未勝利だが、いずれも地方では勝利を挙げている。父リオンディーズ×母父マンハッタンカフェでは、中長距離で4連勝を挙げ、ダイヤモンドS勝ち、天皇賞春3着馬のテーオーロイヤル、兵庫チャンピオンシップ勝ちリプレーザ、3勝馬のテーオーラフィットがおり、父産駒賞金ランキングトップ10位内に3頭と、相性良い配合。
開業6年目の青木厩舎は、重賞未勝利で、シルク所属馬での勝利はなく(転厩による1勝馬は所属あり)、特筆できる内容がないのが現状。
価格は、1500万と安価だが、母系の活力と厩舎に不安が残る。配合は良さそうなので、勝ち上がりさえすれば、コツコツと募集額は稼いでくれる可能性はある。ほかに魅力的な馬が多いので、出資意欲としては「E」とした。
35.ヴァイスハイトの21 出資意欲「B」
母系はロジユニヴァース、ディアドラなど活躍馬が多く枝葉の大きく広がるソニンクの一族。母産駒からも、5勝馬クルークハイトや3勝馬ロスヴァイセがおり、ダートでの活躍が目を引く。父ブリックスモルタルは本馬の世代が産駒デビュー年となる、新種牡馬で活躍配合は不明も、父自身がstorm catの3×3クロスを持っているため、母系との強いクロスを掛け合わせるよりは、本馬のようにノーザンダンサーの遠いクロスでとどめる程度で様子見したいのが個人的な印象。父自身は全米芝チャンピオンも、その父ジャイアンツコーズウェイの日本の産駒には、ダートでの活躍馬も多いので、母系のダート適性からも主戦はダートかもしれない。
池上厩舎は、重賞未勝利も、現3歳のシルク所属馬のシンティレーションが2勝後、フラワーC3着と、直近の活躍は目を惹く。
募集価格は3000万と、牡馬としてはまずまず。厩舎の成績は目立たないが、シルク馬かららは重賞クラスも見込めるのではないかと思えるので、出資意欲は「B」とした。
36.バラダガールの21 出資意欲「C」
母の半兄に弥生賞馬サトノフラッグ、半妹に阪神JF,桜花賞ともに2着のサトノレイナスがいる、とても旬な牝系の出身。母はシルク馬で、2勝し競争能力は証明できている。父ニューイヤーズデイは、骨折により早期引退も、その2年目産駒のマキシマムセキュリティがG1を4勝しており種牡馬としての活躍は期待以上かもしれない。
尾関厩舎のシルク所属馬には、グローリーヴェイズがいるが、直近は目に留まる活躍馬は輩出できていないのが心配。
価格は血統と厩舎を加味すると、3000万円は意外ともいえる価格。おそらく新種牡馬が要因か。また、サトノフラッグ、サトノレイナス、バラダガールはいずれも国枝厩舎所属。その産駒故に不思議ではないが、本流から外れたという見解ができなくもない。また、初仔なので、出来もしっかり確認したい。出資意欲は「C」とした。
37.ルナリアの21 出資意欲「D」
従姉妹には、桜花賞2着シゲルピンクダイヤがいるも、母自身も、母産駒も中央での勝利はできていない。父ニューイヤーズデイは、骨折により早期引退も、その2年目産駒のマキシマムセキュリティがG1を4勝しており種牡馬としての活躍は期待以上かもしれない。
預託先の田島厩舎の活躍馬には、キーンランドC勝ち馬レイハリアがいる。シルク所属馬ではティックルゴールドが3勝しており、勝ち上がり率も悪くなく、コツコツと勝利を積み重ねる印象。
1400万と募集価格は安いが、母系の活力に不安が大きい。厩舎は堅実な印象なので、勝ち上がれれば、募集価格以上の活躍も見込める。出資意欲は「D」とした。
38.イルーシヴグレイスの21 出資意欲「B」
母自身は仏1000ギニー勝ち馬、母の全兄にはサトノソロモン、アドマイヤビルゴ等、重賞レベルでの活躍馬がいる血統。母自身は1勝馬で、父に迎えたの新種牡馬レイデオロ。父は非サンデー血統ながら、ディープインパクトの母ウインドインハーヘアの血を持ち、本馬のようにディープ系種牡馬との配合で活躍が大きく期待されているのは間違いない。
一流のジョッキーだった蛯名正義調教師は、開業1年目でとしては新人。シルク預託馬も本馬が初めてだが、競馬会への人脈は確かでしょうから、いきなり活躍馬を輩出してもおかしくないと思う。
牝馬の3000万円は、安くはないでしょうが、母系の活力踏まえ仕方ないかもしれない。シルクのレイデオロ産駒は2頭のみなので、人気しそうなことも踏まえ、出資意欲は「B」とした。
39.マチカネタマカズラの21 出資意欲「A」
母はデイリー2歳S3着にある2勝馬で、産駒には3勝馬ホウオウパフューム、アルコレーヌ、2勝馬アンダープロット等がいる堅実な血統。個人的には、アルコレーヌとアンダープロットに出資しており、いつも一生けん命に走り、楽しませてくれるので大好きな血統。父にはディープ産駒の新種牡馬アルアインが配されたが、母父kingmamboとディープ系との相性も悪くない(キンカメ系を抜いても活躍馬はいる)。
元G1ジョッキーの中館厩舎は、開業7年目。重賞も3勝し、堅実に活躍場を広げていると感じる。シルク馬は、2頭しか預託されたことなく、1頭が勝ち上がりも現状は1勝止まり。
価格は牡馬で2000万円と安価。血統は地味だが、堅実性がある。厩舎もシルク馬での活躍はないが、母系の地力を実感しているので、出資意欲は「A」とした。
40.アガルタの21 出資意欲「B」
芝・ダート不問の名快速馬ブロードアピールから広がる牝系の一族で、母産駒も8勝馬のマイネルオフィールを中心に、複数勝利馬がいる堅実な母系。父にハーツ系新種牡馬スワーヴリチャードを迎えたが、ハーツクライ産駒の半兄ジオフロントが芝2勝とまずまず相性は悪くなさそう。
開業4年目の稲垣厩舎は、重賞勝ちこそないものの、シルク馬のシルブロンが直近で2勝目を挙げ、今後さらなる活躍が期待できる。
牡馬2800万円の募集価格は比較的に手を出しやすく、母系も堅実。厩舎は派手ではなく、勝ち上がり率も決して良いわけではないが、直近の活躍が悪くない。出資意欲は「B」とした。
41.ローズウィスパーの21 出資意欲「D」
母は芝で3勝したシルク馬で、名前からわかる通り、母系は華麗なるローズ一族。本馬は、母の2番仔。父はハーツ系新種牡馬スワーヴリチャードでデータはないが、父ハーツクライ母父キングマンボまで辿れば、賞金総額1億超えが3頭と悪くないのかもしれない。
加藤士津八厩舎は、開業4年目の若手で、重賞は未勝利、シルク預託馬は2頭いて、現状は未勝利。
母系の活力はありそうで、新種牡馬に期待したいが、厩舎力に不安はある。価格は1800万円と手を出しやすい方。出資意欲は「D」とした。
42.カーミングエフェクトの21 出資意欲「E」
祖母は海外G1を4勝馬、母の成績は不明。おそらく本馬が初仔かと思われる。父は、快速馬を輩出するフランケル。配合意図は想像するのが難しいが、本馬と同じ母系のDanzigを刺激する配合としては、3勝馬オーロラフラッシュがいる(本馬はサドラーズウェルズのクロスもあるが)。
木村厩舎のシルク所属馬には、イクイノックス、オーソリティやプリモシーンがおり、本年の募集馬からも重賞レベルの馬が出てくる確率は高そうです。しかし、木村厩舎には4頭も預託される予定で、いずれも5000万オーバーの馬ですから、人気含めて簡単には出資できません。
募集価格は5000万と強気。父フランケルの種付け料、厩舎を考えれば仕方ないかもしれない。母系が調べきれないのが懸念。個人的には海外からの持ち込み馬は、避けるようにしており、出資意欲は「E」とした。
43.デルフィニアIIの21 出資意欲「D」
祖母は愛1000ギニー勝ち馬。母系データが少なく考察が難しい。父No Nay Neverの日本の産駒の賞金獲得トップが、宝塚記念2着でアッと言わせたユニコーンライオンで、本馬はユニコーンライオンと同様に、サドラーズウェルズを介したノーザンダンサークロスがある。
厩舎はアーモンドアイを輩出した、国枝厩舎ですから、文句なしの成績です。
牝馬で4000万円と高額の部類で、データも父系母系を共に少ないのが懸念。個人的には、避けたいところなので、出資意欲は「D」とした。
美浦募集馬 出資意欲集計
以上、これにて美浦所属馬の解説は終了しました。
A-Eまでの出資意欲ランクの集計は下記の通り。
ランク | 数 | 割合 |
A | 7 | 16.3% |
B | 14 | 32.6% |
C | 9 | 20.9% |
D | 8 | 18.6% |
E | 5 | 11.6% |
Bランクが多いですが、案外バラけた評価をできている気がします。まだ血統ではありますが。
今後は栗東所属馬の解説をしていく予定です。
今回の記事を書くにあたり参考にした書籍のご紹介
各種牡馬と相性の良い血統がわかりやすく解説されていました。一口馬主の募集馬の血統を眺めることがより楽しくなります。各種牡馬産駒のレース傾向も細かいデータで記載されていますので、一口馬主を趣味としている方だけでなく、レースとしての競馬が好きな人も満足できる一冊です。私はレースの軸選定や、出資馬の血統背景調査に毎年新年度版を購入しています。